2019年はIASにとって非常にエキサイティングな年でした。創業10年目を迎え、デジタル広告技術の未来に目を向け、次の10年への新たなチャレンジを重ねた一年でもあります。
日本市場においても11月末にJAAから「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」が発表されるなど、アドベリフィケーションの認知の高まりとともにデジタル広告の様々な課題が活発に議論されました。
年の瀬の慌ただしさを少しだけ離れ、Insider US版で発表したIASの今年の重大ニュース19を振り返ってみましょう。(2019年だけに19…)
IASの2019年は新CEOリサ・アッツシュナイダーの就任でスタートを切りました。リサは業界初となるOTT/コネクテッドTVや音声広告の計測を精力的に推進。2020年第一四半期にはIAB Tech Labらと協業してこれらの新しい広告フォーマットに対応したソリューションを正式にリリースする予定です。
ブランドに適合した環境でターゲットオーディエンスに広告を届けることの重要性をいち早く認識し、それができる環境を追求したプジョーの事例。ブランドのメッセージや世界観を確実に届けることを目標に、PSA(プジョーの親会社)がMediaCom、YouTube、そしてIASと共同で行った「信頼できる動画広告の配信環境」への取り組みに迫ります。
(英語版はこちら)
スペインのマラガで開催されたI-COM Global Summitで、IASはI-COM Smart Data Marketing Technology of the Year賞を受賞しました。IASの、デジタルエコシステムの透明性と健全化を推進するデータサイエンス技術が高い評価を受けての受賞でした。IASのデータサイエンスチームがどのように機械学習とデータモデルを活用してビジネス課題の解決をサポートしているか、くわしくはリリースをご覧ください。
IASは2019年6月、NBC Universal、CBS Interactive、他6社とパートナーシップによる、業界初のコネクテッドTV向けベリフィケーション・ソリューションを発表しました。この最新のソリューションは、これらコネクテッドTV上での動画広告の計測を行い、動画視聴完了を測り、アドフラウドを排除するものです。
今年も、南フランスのカンヌで開催された世界最大の広告の祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に参加しました。特別に仕立てたヨットを会場に、大勢のクライアントや業界パートナーの皆さまとお会いし、コネクテッドTVやブランド適合性といった業界の最新トピックについて熱い議論を交わしました。
イギリスのOmnicom Media GroupはIASと提携し、入札前/後のブランドセーフティを担保し、キャンペーン効果を最適化する取り組みを実施しました。Omnicom Mediaがキーワードブロックを活用し、どのように最適化を達成したか、事例をご確認ください。
米国を中心に注目が高まるOTTとコネクテッドTV広告。IASはこれらのプラットフォーム上でデジタルキャンペーンを成功させるために何が必要か、オンラインセミナーを開催して解説しました。オンラインセミナーの模様は録画でご覧いただけるほか、ポイントをまとめたQ&Aもご用意しました。
脳神経学を活用した市場調査の世界的なリーダーであるNeuro-Insightと共同で実施した、広告が表示されるコンテンツ環境が広告認知に与える影響についてのリサーチには多くの反響をいただきました。高品質なサイト上に配信された広告は、低品質なコンテンツに配信された同じ広告と比較して好感度が74%も高まる、という結果はブランド適合性を考えるうえで大きなヒントを示しました。
Wall Street Journal での特集記事に続き、BBC Radio 4の番組「The Media Show」でIASはキーワードリストの問題を指摘し、対策について解説しました。私たちはこの問題について、解決にはコラボレーションと啓発・教育がカギだと考えています。こちらの記事では番組の録音と詳細な解説をご確認いただけます。
10年前にブランドセーフティ対策から始まったIASは、従業員800人超、世界14か国17拠点でアドベリフィケーション対策をフルラインアップで展開するまでに成長しました!多くのパートナーとともにデジタル広告業界全体の透明性向上に貢献してきた私たちが、この10年で学んだ10のレッスンはこちら。
2019年9月にはNYに続く新たなグローバル拠点としてシカゴオフィスを開設しました。新拠点はシカゴのビジネス街の中心に位置し、データサイエンティストやエンジニアが次世代のアドテクノロジーの開発に従事しています。
毎年秋に開催されるヨーロッパ最大のデジタルマーケティングカンファレンス DMEXCO に、IASは今年も出展しました。新CEOとして初の参加となったリサ・アッツシュナイダーがダイバーシティに関するパネルに参加したほか、IASのブースにもたくさんのお客様やパートナーに来場いただきました。IASが最も重要だと感じたポイントをこちらの記事で解説しています。
私たちは、広告主の大切な予算を守るため、悪意ある不正なトラフィックや広告詐欺を検知し、排除するための投資を続けています。2019年は不正検知と排除の最前線を担うIAS Threat Labを拡張しました。Threat Labがどうやって不正と闘っているか、こちらでその一例をご紹介しています。
5月にAdWeek Tokyoに参加したのに続き、10月にはAdWeek New Yorkでも2つのパネルセッションでホストを務めました。こちらでセッションの様子をダイジェストでご確認ください。
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- コネクテッドTV:IASのCEOリサ・アッツシュナイダーとアドフラウドの次の戦場を語る
- ブランドセーフティからブランド適合性へ、IASのCMOトニー・マーロウとともに
ビジビリティと露出時間がデジタル広告の効果にどう影響するか、IASは仏Médiamétrie社と共同で初の調査を実施しました。調査事例はこちらからご確認いただけますが、残念ながらフランス語のみとなっています。
世界的に有名なある飲料ブランドは、YouTube広告を全面的に引き上げるか、ブランド適合性の問題を抱えたまま広告を続けるかの選択を迫られていました。IASは、Google Marketing Platformと代理店のMindshareと連携し、IASのデータを活用して飲料ブランドの厳格なブランド適合性基準に沿ったYouTube動画を特定。大きな影響力を持つYouTube上での広告を諦めることなく、効果的なキャンペーン展開に貢献しました。こちらの事例から、飲料ブランドがどのように課題を解決したか詳細をご確認いただけます。
2019年の終わりにかけて、IASのプロダクトマネージャーを務めるGerry Marketosがヨーロッパの複数の都市を訪れ、アドフラウドに関する啓発セミナーを開催しました。アドフラウドについて知っておくべき基礎的な知識から、どうやって対策すべきかといった具体策までを開設したセミナーの様子はこちらで。
2019年を締めくくるニュースとして、私たちは ADmantX の買収を発表しました。ADmantX が保有する自然言語の解析と機械学習を組み合わせた高度なコンテキスト・ターゲティング技術は、IASのブランド適合性ソリューションを大きく前進させるものです。
広告をブランドの文脈に沿ったコンテンツ環境で消費者に届けるためには、ブランドセーフティだけでなく、ブランド適合性を考慮する必要があります。コンテンツ品質が広告認知に与える影響は非常に大きいのです。65%もの人が「低品質なコンテンツ環境で広告を見た場合、そのブランドの使用を取り止めることを検討する」というショッキングな調査結果を、マーケターは無視するわけにはいきません。
2019年はIASにとって非常に重要な一年でした。
1月に迎えた新CEOのもと、新たなソリューションやパートナーシップを立て続けにリリース、発表することができました。グローバルでは600人弱だったチームが800名を超えるまでに拡大し、日本オフィスにも新たに5名のメンバーが加わりました。
さらに日本では、11月26日にJAA(日本アドバタイザー図協会)から「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」が発表され、翌日から開催されたアドテック東京2019で関連するスペシャルセッションを行うなど、アドベリフィケーションに対する意識がこれまでになく高まった一年だったと感じています。
アドベリフィケーションを通じてデジタル広告が業界関係者、広告主、そして消費者にとってもより良い体験を提供するものであるよう、IASはこれからも多くのみなさまとともにデジタル広告の透明性と健全性向上に取り組んでまいります!