「Masters of Media」は、IAS Japan が日本の広告業界の有識者に、デジタル広告に関するさまざまな事柄についてお話を伺うインタビューシリーズです。
今回は「IAS AWARD 2022」の広告主部門で特別賞を受賞された三井不動産グループの広報部 和野様にお話を伺います。
IAS : 三井不動産グループ様での職務とデジタル広告/マーケティングにおけるご経験についてお聞かせください。
三井不動産広報部にて主にブランド戦略・企業広告(デジタル広告含む)を担当しています。当部への異動前まではデジタル広告に関する業務に携わっておらず、日々勉強中です。
IAS : デジタルメディアの品質に関して、貴社が優先的に取り組んでいることは何でしょうか?
アドベリツール導入1年目(2021~2022年)は、出稿広告の品質を数値で把握・課題を認識するところから始まり、特にブランドセーフな状態で出稿できているかを把握することを優先的に取り組んでいました。並行して、出稿に適さない広告面のリストを作成し、そのリストに掲載されているサイトには広告が出ないよう設定をした上でデジタル広告を出稿するよう社内に呼び掛けています。
導入2年目においては、特にビューアビリティの数値改善を目標としています。
IAS : 2023年にマーケターが取り組むべきデジタル広告のキートレンドは何だとお考えですか?
当社広報部においては、2023年はよりインクリメンタルリーチを増やすことを重要視しています。TVCMだけではリーチできないユーザーに対してアプローチするためのデジタル広告戦略も検討したいと考えています。
IAS : 今後2、3年でデジタル広告やマーケティングはどのように進化するとお考えでしょうか?
デジタル広告の出稿は伸長し続けると考えており、特にYouTubeやTikTok、CTV等の影響で動画広告出稿はさらに伸長するのではないかと推測しています。そのため、出稿媒体・掲載面は引き続きよく検討することが必要と考えています。
また、デジタル広告が伸長するとユーザーのデジタル広告への知見が深まり、ますます情報を取捨選択するようになると推測しています。広告主としても、よりユーザーに見てもらえる広告を出稿することが大切になると思っています。
IAS : 広告業界は、デジタル広告における信頼性と透明性の課題に対処するために、どのような手段を講じればよいとお考えでしょうか?
デジタル広告を目にするユーザーが増えるにつれて、広告枠も多様化し、デジタル広告への信頼性や透明性はより一層求められると思います。その中で、アドフラウドの排除やブランドセーフティの確保だけではなく、「ブランドスータビリティ(ブランドの適合性)」への取り組みもより重要となるのではと考えています。企業やブランドに適した広告枠への配信、ユーザーの興味関心に応じた広告を出稿することで掲載面の品質が高まり、ユーザーにとっても信頼できる広告となると思います。
このような取り組みを続けることで、デジタル広告の信頼性と透明性が高まり、持続可能なデジタル広告市場を育めるのではと考えています。
IAS : 貴社にとって「デジタル広告」とはどのような位置づけでしょうか?
デジタル広告は若年層へのアプローチができ、リーチを拡大できるツールの1つだと考えています。広報部においては現在企業広告の制作をしており、TVCMだけでなくデジタル広告・OOHへも出稿しています。デジタル広告は細かくターゲティングができ、広告効果がわかりやすく、運用方法によって様々な効果が出せると考えています。TVCMやOOHと上手く組み合わせて出稿することで、より多くの方へリーチし、広告や企業の認知・理解度を獲得できる、重要なツールです。
IAS : グループ全社へIASソリューションの導入を決断したきっかけについて、お聞かせください。
当社のデジタル広告出稿量は増加傾向にありましたが、一方でデジタル広告には広告効果や企業ブランドイメージに影響する課題があることを知りました。そこでまずは自分たちの出稿広告の品質を数値で把握する必要があると考え、2021年度よりIASのアドベリツールを導入しました。
グループ会社においてもデジタル広告を多く出稿しているため、グループ全体でデジタル広告の課題解決に取り組むため2022年度よりアドベリツールを導入しています。
IAS : IAS導入時に、どのような障害やチャレンジがありましたでしょうか? た、それをどうやって乗り越えられたのでしょうか?
当社は住宅や商業施設、オフィスビル等様々な部門においてデジタル広告を出稿していますが、各部門担当者が広告制作・発注をしており、これまで広報部にて全社の広告出稿状況を細かく把握はしていませんでした。IASのアドベリツールを導入するにあたり、まず当社各部門・グループ会社の広告出稿状況の詳細把握や導入の仕組みづくりから始めたのですが、当社にとってはチャレンジの1つでした。
その後担当者へのツール説明を部門ごとに実施、IASや担当代理店ともキックオフミーティングを開催しましたが、各社・各部門の担当代理店も全く異なるため、関係者が多く複雑だったのがとても大変でした。さらに、コストの問題等から導入に障壁があった部門もあったため、導入するメリットや当社の目指すべきところを丁寧に説明することで、最終的には理解・協力してもらいツールを導入することができました。
IAS : IASソリューションの良いところ、またご要望もぜひお聞かせください。
当社・グループ会社各社ごとにご担当者が決まっており、日々の相談・質問等に対してクイックに対応いただけているところがとても助かっています。
実施後の効果検証の部分についても、今後さらに当社・グループ会社担当者の知見を深めていければと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
IAS : 三井不動産グループ様では、多様性や女性の活躍にどのように取り組んでらっしゃいますか?
当社はD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進のために様々な取り組みをしていますが、その中の一つ「多様な働き方を選択できる」ことは一社員としてとても助かっています。部署によって規定は異なりますが、働く場所はオフィス・シェアオフィス・自宅等選択が可能で、オフィスに出社していても自分のデスクだけでなく、個室・打合せスペース・共用部等様々な場所で働くことが可能です。
IAS : これから新たにデジタル広告に携わる方にアドバイスをお願いいたします。
デジタル広告のメリット・デメリットどちらも把握したうえで広告出稿ができるよう、我々も日々勉強しています。
IAS : 休日はどのように過ごされていますか?
またプライベートで今年挑戦したいことがあれば、ぜひお聞かせください。
家族・友人と外出したり、家でゆっくり過ごしたりしています。美味しいものを食べるのが好きなので、土日のうち1日は気になるお店へ足を運んでいます。
コロナ禍で運動不足が続いてしまっていたので、今年は運動する習慣を身に着けたいと思っています!
和野様、貴重なお話をありがとうございました!
ユーザーに届くデジタル広告に真摯に向き合われている三井不動産様。
グループ全社という大規模でアドベリツールを導入され、ブランドセーフティからビューアビリティへと着実にメディア品質へのお取り組みを拡大される姿は、日本のデジタル広告業界の持続可能な未来に向けた動きを、大きくリードするものです。
我々IASは、先進的な技術を用いたソリューション提供はもちろんのこと、タイムラグのない日々の迅速なサポートを通じて、三井不動産グループ様のお取り組みを支援させていただきます。