アドベリフィケーションは、広告が配信または表示されるコンテンツのメディア品質を計測し、リスクを除外し、広告投資の最適化と効果の最大化を実現するテクノロジーです。アドベリフィケーションでデジタルメディア品質を計測するときに用いられる3つの指標が「ブランドリスク」「アドフラウド」そして「ビューアビリティ」です。
それぞれ何となく聞いたことがあるけれど、その定義を正しく理解できているか自信がないという方も多いのではないでしょうか?
もくじ
▶ デジタルメディア品質を数値で把握する意味
▶ ビューアビリティ
▶ ブランドリスク
▶ アドフラウド
▶ 指標を評価するためのベンチマークを確認
そもそもなぜメディア品質指標が重要なのでしょう?
いわゆるマスコミ4媒体と呼ばれる新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、そして屋外広告などは、どういうコンテンツ(場所)に、どういうフォーマットで広告が掲載されるかを確認することが容易でした。さらにTVCMなら15秒や30秒の長さでTV画面を占有して放送される、といったように広告が表示されるフォーマットも決まったものでした。また、時間帯や番組によって放送されるコンテンツや視聴者をある程度想定することも可能です。
これに対してインターネット広告、中でもとくに運用型と呼ばれる広告は、広告が実際どのサイトのどのページに表示されるかを把握するのが非常に困難です。広告フォーマットは多岐にわたり、消費者がコンテンツを閲覧する端末もスマートフォンからPC、最近ではTV画面など多様化しています。キャンペーンによっては億単位のインプレッションが発生しますから、それらをすべて制御するのは不可能です。
従来型の広告であれば、こうした品質面の問題はあらかじめクリアされていたので、あまり考える必要がありませんでした。しかしインターネット広告では、広告主自らこうした課題を把握し、コントロールしていく必要があるのです。デジタルメディア品質指標は、こうしたインターネット広告特有の課題を数値化して把握し、適切な対策を打つための基礎データなのです。
ビューアビリティ:広告が「見られる状態にあったか」
ビューアビリティについては、MRC(Media Ratings Council、メディア調査会社の監査や認定審査を行なうアメリカの業界団体)が明確な基準を設定しています。
- ディスプレイ広告:広告の50%以上の面積がブラウザ画面上に1秒以上表示された状態
- 動画広告:広告再生時に50%以上のピクセルが画面上に2秒間以上表示された場合
広告の目的は、企業やブランドのメッセージを消費者に届けることです。それがそもそも見られる状態になかったとしたら、広告としては全く意味がありません。立派なポスターを作って、誰も絶対に通らない廊下の開かずの部屋のドアの内側に張り付けておくようなものです。見られない広告に意味はありません。
ブランドリスク:広告によって「ブランド価値が棄損されるリスク」
ブランドリスクとは、広告が表示されることでブランド価値を損なうことにつながるようなコンテンツに広告が配信されてしまうリスクを示す指標です。
ブランドイメージ低下やブランド毀損に繋がるページコンテンツで発生するインプレッションで、IAS では8つのリスクカテゴリ(アダルト、アルコール、ギャンブル、ヘイトスピーチ、違法ダウンロード、違法薬物、不快な表現、暴力)を設定しており、それぞれのカテゴリでリスクレベルを判定します。
ビューアビリティと同様、ブランドメッセージを消費者に届けて良い印象を持ってもらうことが広告の目的とすると、せかっく広告を出したのに消費者に嫌われてしまっては元も子もありません。しかもこの場合、クリエイティブのせいで炎上するのとは違います。ビールの広告が居酒屋に貼ってあれば見た人は思わずビールが飲みたくなるかもしれません。でも飲酒運転による悲惨な事故を報じるニュース記事にお酒の広告が表示されてもお酒を飲みたいと思えないどころか、広告を掲載した企業やブランドの信頼が損なわれる可能性もあります。
アドフラウド:広告が「本物の人間に見られていたか」
ボットなどによってインプレッションやクリックを故意に水増しし、広告費を不当に搾取しようとするのがアドフラウドです。
メディア品質指標では、実在する人間に対し、ふさわしいタイミングと場所で広告が適切に配信されることを故意に妨害する活動に由来するインプレッションで、特定の取引における広告主やパブリッシャーの金銭的または機会の損失につながるものを指します。
アドフラウドが発生する仕組みや、ボットの種類に関する記事もぜひご参考にしてみてください。
指標を評価するためのベンチマークを確認しよう
デジタル広告でメディア品質指標を確認する重要性をご理解いただけたでしょうか?
広告を出稿しているデジタルコンテンツの品質を知るためには、アドベリフィケーションの計測機能を活用してまずは「測る」ことが必要です。そして計測した数値を日本の標準値と比較してみると、自社の立ち位置を把握することができます。
日本と世界各国の標準値は、IAS が毎年2回発表しているメディアクオリティ レポートで確認することができます。
IAS ではデジタルメディア品質指標やアドベリフィケーションに関するウェビナー、勉強会なども積極的に開催しています。IASのアドベリフィケーション ソリューションや、デジタルメディア品質向上に関する取り組みについて詳しくは IASの担当者/お問い合わせ窓口までお気軽にご連絡ください。