高品質なデジタルメディア環境を、デジタル広告という文脈のみならず消費者目線でも求める声が高まっています。何をもって「高品質」とするのかは様々な視点があり得ますが、広告主が強く求めることの一つに透明性の高さが挙げられます。
内閣府のデジタル市場競争会議が2020年6月に発表した「デジタル広告市場の競争評価 中間報告」では、透明性の観点からアドフラウドやブランドセーフティへの対応が必要としたうえで、第三者による到達指標測定の受け入れなどが具体的な対策として盛り込まれました。
2020年12月には、公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会(JAA)、一般社団法人 日本広告業協会(JAAA)、一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の業界3団体が共同でデジタル広告の品質を第三者認証する機構「デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)」の設立を発表しました。まずは「アドフラウドを含む無効配信の除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質認証に取り組む、としており、デジタル広告の品質を判断するために必要な透明性をいかに確保するか、具体的な基準やプロセスなどの準備が進められています。
透明性の向上には、データの開示や品質対策を、公平な第三者によるソリューションなどを活用しながら実施していくことが求められます。
広告主が求める「透明性の高い高品質なデジタルメディア環境」の実現に向けた集英社様の取り組み
今回、集英社様は、全ディスプレイ広告メニューが IAS のパブリッシャー ソリューションに対応し、安全基準を満たしたインプレッションのみを購入できる、業界初の試みをスタートされました。この取り組みは、広告主にとっても、そして消費者にとっても透明性が高く、安心、安全なメディア環境を構築するものです。
全ディスプレイ広告で第三者によるアドベリフィケーション対策実施済みの広告在庫を常時提供する試みは、日本国内のプレミアムパブリッシャーで初めての取り組みです。あらかじめアドベリフィケーション対策済みの在庫のみが販売されるため、広告主や代理店は、追加の手続きや設定作業は必要ありません。
SPUR.JP など集英社様の主要な14のウェブ媒体が対象で、アドフラウド(不正インプレッション)や、広告主のブランドメッセージにそぐわないコンテンツが含まれるページへの広告配信を除外する、透明性が高く安心、安全な広告メニューです。
集英社広告部部長の田邊泰氏は、安全かつ透明性の高いメディアの重要性について、次のようにコメントしています。
集英社は多種多様なメディアを運営しており、おかげさまで各メディアの規模は日々成長しております。日頃より皆様にご利用いただくにあたり、より安全かつ透明性のある媒体であることの必要性を感じ、早くからIAS様とお取り組みを進めてまいりました。
そういった中で、このたび、基本的な純広メニュー、およびPMPでのディスプレイ広告について、IAS様のソリューションを活用し、デフォルトでアドフラウド、ブランドセーフティを考慮した配信が可能になりました。
これにより、日頃お世話になっております広告主の皆様に、より良質な広告活動をご支援させていただけるようになると思います。
IASのパブリッシャー ソリューション
IAS は2014年に業界初のパブリッシャー向けアドベリフィケーション ソリューションの提供を開始しました。以来、世界中のパブリッシャーパートナーとともに、より高品質で透明性の高いメディア環境実現のため、ソリューションを進化させてきました。
パブリッシャー向けに提供している機能の主なポイントは3つです。
1.アドフラウド除外
広告配信前に配信面の品質チェックを実施。アドフラウドが含まれる場合は配信対象から自動的に除外します。
2.ブランド毀損リスク除外
ブランドメッセージにそぐわないコンテンツが含まれるページへの広告配信を、配信が実施される前にチェックし、除外できます。
3.ビューアビリティターゲティング
あらかじめ設定したビューアビリティの目標値をうわまわった配信面にのみ広告配信を実施。
広告主にとって、IAS のパブリッシャー向けソリューションを採用しているメディアを選ぶメリットは、アドフラウドとブランドリスクがあらかじめ除外されたインプレッションを購入できる点、そしてビューアビリティが基準値以上のインプレッションだけをターゲティングできる点です。IAS のパブリッシャー向けソリューションに対応、またIASによる計測やブロックなどのソリューション受け入れ/連携済みの媒体の一覧をダウンロードしてご確認して、メディアプラン策定にお役立てください。
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